Diary title

妊娠中に卵や牛乳はダメですか??

2007年02月25日 院長

先日、外来である妊婦さんから「友人から妊娠中に卵や牛乳を摂るとアトピーの子が生まれるからやめた方がいいよ」と言われたのですが、本当でしょうか?とういう内容のご質問がありました。実はこの質問はしばしばあります。みなさん気になるところでしょう。

 

確かに今からほんの十数年前には一部で妊娠中の卵や牛乳が子供のアトピーの諸悪の根源のように言われていた時期がありました。が、医学は日々進歩するものです。その後いろいろな研究データが解析され、最近では違う見解になっています。結論から言いますと、妊娠中に卵や牛乳をあえて控える事は推奨されない、むしろ勝手な偏食をしないでいろんな食材をまんべんなく摂る事が望ましい、という事です。これは妊娠中に卵や牛乳を除去した場合とそうでない場合に、結局のところ生まれた子が将来にアレルギー疾患を発症する確率に差がない、という多くの事実が根拠になっているようです。(日本小児アレルギー学会 食物アレルギー診療ガイドライン2005年、同会 保護者ならびに医療スタッフの方々へ 食物アレルギーハンドブック2006年など)もちろん例外はあり、例えば親が既にアレルギーの専門医等から特定の食物の除去療法を受けておられている方などは妊娠中もそれを続けてください。食物アレルギーの治療はあくまで正しい診断に基づいた“必要最小限の原因食物除去”が大原則だそうです。要するに、勝手な偏食をしないでいろいろな食材をまんべんなく摂る事が大切なのですね。

 アトピーの分野に限らず医学はすべてそうかもしれませんが、少し前まで誰も疑わなかったことが今では間違いであったりするものです。大切な事は、今現在の正しい情報を身につけることでしょう。私はアトピーに関して、小倉記念病院に在職中から仲良くさせてもらっています元小倉記念病院小児科部長、現在旦過で「おかべアレルギークリニック」をされておられます『岡部 貴裕先生』にいつもアドバイスを戴いております。昨年は当院のスタッフの勉強会にわざわざ出張講義に来て頂きました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。(いずれ当院で妊婦さん向けの講演会など開けたらいいなあ、など勝手に思い込んでおりますが・・)


Other diaries

その外のおはなしも、是非お読みください。

クリニックからのお知らせ

  • 予約診断についてのご案内
  • 分娩予約状況について

Mission

みちおかレディースクリニックは
出産を通じて一生の付きあいが生まれる
お母さんと赤ちゃんの第2の家を
目指しています

「病院(ホスピタル)」の語源は「ホテル」と同じ「ホスピス(宿)」と言われています。
だからこそ、私達は物心両面で、みなさまの出産、育児のサポートを行い、人のぬくもりを感じる家でありたいと思っています。

クリニックのホームページはこちら