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オープンシステム

2008年01月31日 院長

オープンシステム(=開放型病床)というのをご存知でしょうか。簡単に説明しますと、開業医が診ていた患者さんが調子悪くなって大きな病院に紹介し入院になった場合、普通はそれから先は大きな病院の先生にお任せになってしまい開業医の手を離れてしまいます。
開業医が、紹介した患者さんが大きな病院へ入院した後もそこの先生方と一緒に引き続き診療をおこなうことができ、調子よくなったらまた自分のところへ戻るようすることもできる、という都合の良いシステムがオープンシステムです。
まだまだ一般には定着していませんが、地方の医師会病院などの内科等ではこのシステムはそれなりに機能しているところもあるようです。

 

産婦人科の場合、例えば分娩中の妊婦さんがやむなく帝王切開が必要になった時、開業医が患者さんと一緒に救急車で施設の充実した大きな病院に行き、そこで大きな病院の先生やスタッフと帝王切開をします。患者さんは術後そのまま大きな病院に入院となり術後の急性期を過ごします。
そして2~3日して元気になられたらまたもとの開業医のところへ戻り、残りの数日間を開業医のところで入院を続けゆっくり療養していただく、というパターンがあります。

産婦人科でこういったオープンシステムができる病院は北九州近辺にはひとつだけあります。まだはじまったばかりですが、新水巻病院周産期センターです。ここのセンター長は以前当院にもスタッフ勉強会に講義に来ていただいた有名な白川先生です。(左の“院長のおはなし”2007年 7月18日、7月 26日「院内スタッフ勉強会」ご参照ください)産科のトップはかつて労災病院におられた齋藤先生で、私と同年代ということもあって以前から仲良くさせてもらっています。
実は昨年11月に初めてうちの患者さんを新水巻病院周産期センターでオープンシステムによる帝王切開をおこないました。それが新水巻病院周産期センターにとっても第一例目のオープンシステム症例でした。それから12月末に1例、そして先日もう1例、あわせて既に3例オープンシステムによる帝王切開をやりました。オープンシステムを利用するに至った状況はまちまちですが、手術は大きな病院でしてもらえ術後は当院に戻ってゆっくりできた、と皆さんご本人もご家族も大変満足しておられました。(ただ当院から新水巻病院まで車で約40分かかりますので、ご家族にはそれだけがちょっと不便だったようです。)

最近は出産を扱う医院でも帝王切開をやらないところもあると聞きます。当院ではできる限り頑張って自分のところでできる帝王切開はやろうとしておりますし、実際やっております。(左の“院長のおはなし”2007年4月2日「帝王切開、頑張ってやっております」、是非ご参照ください)しかしさまざまな事情により、北九州市立医療センターをはじめとする大きな病院に母体搬送をお願いすることも多々あります。我々開業医はそれらの病院の勤務医の先生方には本当に日々感謝の毎日なのです。

もし今後この新水巻病院周産期センターのオープンシステムが一般にもうすこし認知されれば、我々としても選択肢が広がり少しでも効率のよい産科医療ができるようになるかもしれません。
          

(写真は先日そのオープンシステムで生まれた赤ちゃんです。かわいいですね。)

 


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