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マザークラスでお話する『ソフロロジー式分娩』について

2020年04月20日 スタッフ

皆さまこんにちは。助産師の大坪です。

毎日のように"コロナ"の文字を見ない日はありませんね。
当院でも感染防止対策のため産前のマザークラス、ヨガ、ビクスを中止させて頂いており、未だ再開の目途が立っておりません。
お産を控えていらっしゃる産婦さんにおいては相当な不安の中すごされているかとお察しします。

今日は少しでも不安の軽減になればと、当院で行っているソフロロジー式分娩についてのお話をさせていただこうと思います。

ソフロロジー式分娩とは、ゆっくりと深呼吸をし、「赤ちゃんにもうすぐ会える」という前向きな気持ちを持ちながらリラックスした状態でお産をする方法です。
身体に余計な力を入れず、呼吸を意識して酸素をしっかり赤ちゃんに届けるようにお産をすることで、多くのメリットが得られます。

例えば・・・
・陣痛や出産に対する不安が少なくなる・赤ちゃんとの絆が感じられる
・痛みが軽くなり、お産が楽に感じられる(リラックスすると産道がフワフワに軟らかくなり、赤ちゃんが通りやすくなります!)
・会陰の傷が少なくなる(全く傷がない方もいらっしゃい ます)
・産後の回復が早い(お産直後から歩行可能な方も多いです!)
・生まれた赤ちゃんがとても元気(呼吸法で赤ちゃんに酸素が沢山届けられます)
このようにママにも赤ちゃんにも嬉しい効果が沢山あります。



次にソフロロジー式分娩のトレーニング方法をお伝えします。

まずは上手にリラックスできるようにしましょう。
室内を少し薄暗くして、好きなアロマや香りに包まれながら行うとより効果的だと思います。
ただし妊娠中に使用できないアロマもあるのでご注意を!バラの香りのローズウッドや、柑橘系のベルガモットなどがおすすめです。

  1. あぐら座になりましょう。両手は軽く膝の上に置きます(骨盤を立てるように座る方が効果的。姿勢が安定し  ない方はおしりの下にクッションを入れるようにするといいですよ)
  2. 軽く目を閉じます
  3. 全身をリラックスさせます(身体の一つ一つのパーツを意識して順番に力を抜いていくようにすると、うまく脱 力できます)
  4. お腹にいる赤ちゃんのことをイメージしましょう(温かい羊水の中でぷかぷか浮かんでいる赤ちゃんは、ママと  気持ちが繋がっています。ママが気持ち良いと赤ちゃんも心地良いのです)

次に呼吸法です。(ここ大事!)

  1. まず身体の中から全ての空気を出し切ります(6〜8秒程度)
  2. 出し切ったところで1、2秒軽く息を止めてから、鼻から大きく息を吸い込みます(肺やお腹、背中までいきわ  たるように3〜8秒程度)
  3. お腹いっぱい空気を入れたら1、2秒軽く息を止めてから、口からゆっくり息を吐きだします(8〜12秒程度)目  の前のろうそくの灯を軽く吹き消すように、細く長く"ふ〜っ"と優しく吐き出すのがポイント。

①〜③を1分程度繰り返しましょう。このトレーニングを寝る前に行うと、副交感神経が優位になり安眠効果も得られます。

では実際にお産になったらどう呼吸をすれば良いのでしょうか。

基本的には陣痛中も出産も前述した呼吸法で変わりありません。
ゆっくりと長く吐くことだけに集中しましょう。

赤ちゃんの頭がゆっくりと産道を抜けてくると、便意を感じるようになります。
実際には便ではなくている赤ちゃんの頭が直腸を刺激するためなのですが、人間の身体は直腸に刺激を感じると反射的にお腹に力(腹圧)を入れて押し出そうとします。
お産にはこの力(腹圧)がとても大切ですが、力を入れるタイミングを間違えたり、がむしゃらに力を入れすぎたりしてしまうとママにも赤ちゃんにもダメージが及ぶことになります(痛みのせいで呼吸を止めてしまうと赤ちゃんは酸欠状態になってしまいとても危険です!)。
お産の時にパニックに陥らない為には、押し出そうとする力をうまくコントロールすることがポイント。
担当する助産師が力を入れて良いタイミングをお伝えしますが、それ以上に大事なのはママの呼吸です。

ここで自宅で出来るトレーニング法をもう一つ。

お通じトレーニング"です。

皆さん毎日排便があっているはずですよね?
便意を催すと自然に腹圧をかけたくなると思います。この時感じる腹圧はお産の時に感じる腹圧と全く同じなのです。便意を感じたら呼吸法を行いながら便を出してみましょう。
息を吐ききるところでほんの少し腹圧をかけるようにするともっと良いです。
大事なポイントは"息は絶対に止めない"ということ。意識しておかないとなかなか難しいので、このトレーニングはとても大事です。毎日行えると良いですね。
きっとお産の時にうまく呼吸が出来るようになりますよ!

今回ソフロロジー式分娩についてお話させていただきました。

物理的な呼吸法はもちろん大切ですが、最も大切なのは"赤ちゃんを大切に思う気持ち"です。
お産はママと赤ちゃんの共同作業。お産は"痛い、辛い"イメージが先行してしまいがちですが、陣痛は「ママに会いたい!」という赤ちゃんからのメッセージです。

陣痛を受け容れる=赤ちゃんを受け容れることになりますね。
皆さんのお産が人生で最高のイベントになりますよう私たちも共に頑張っていきたいと思っております。
不安に思われる点がありましたら、何でもスタッフにご相談くださいね。

助産師 主任 大坪仁美


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