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「黒田官兵衛の小説を読みました」

2014年06月26日 スタッフ

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初夏の折、皆様はいかがお過ごしでしょうか?今年もまた暑い夏が到来しましたね、みなさまも夏バテなどには注意して、素敵な夏をお過ごしください。

さて今回は私が最近読んだとても面白かった小説を紹介したいと思います。

今年の大河ドラマに抜擢され、今たいへん有名になっている名武将・黒田如水こと黒田官兵衛。
私たちの住むここ北九州にも縁の深い武将だけに、ただ興味があるだけではなく、とても親しみを感じながらドラマを拝見しています。

 元々、私は歴史小説や時代小説が好きなので、いろんな作品でこの官兵衛が登場する話は読んできましたが、今回、ドラマに合わせて改めて“黒田官兵衛”という人物を主役とした作品を読んでみようと思い立ち、数ある作品の中から、司馬遼太郎さんの「播磨灘物語(全四巻)」を読むことにしました。

この「播磨灘物語」、基本は黒田官兵衛の一代記になっていますが、重点に置かれているのはあくまで播磨(現在の兵庫県南西部)で活躍した時代の官兵衛で、つまりは播磨での黒田家の始まりから、後に豊臣秀吉の軍師として大活躍するまでの、あくまで限定的な期間、官兵衛の武将として一番面白かった時期を描いている作品なので、豊臣の世になり九州北部に封じられてからの話や、朝鮮出兵、息子で名武将となった黒田長政の活躍などはさらっと描かれている程度で、そういう意味では武将として軍師として一番輝いていた頃の黒田官兵衛を描いた物語となっていました。

内容に少し触れます。
黒田家は、官兵衛の曾祖父の代で流浪に出て播磨の地に辿り着き、祖父の代で目薬を売って財を成し、父の代で小寺家という田舎郷士の家老となり、先祖が着実に積み上げられた基盤をテコとして、官兵衛は戦国の世に羽ばたきます。
更に時代のタイミングも良く、地の利もあったことが官兵衛の立身出世を助けます。
岐阜から勢力を拡大し続ける織田信長と、西の大国・毛利家の中間にあり、板挟み状態の播磨にいて、その中でも弱小豪族・小寺家の一家老でしかない官兵衛は、信長に加担したいとは思いながらも、本来なら信長には会うこと自体が叶わない低い身分。
そのような中、織田と毛利が一色触発でにらみ合う状況で、少しでも有利な戦況に持っていきたい信長のなりふり構わない姿勢が、遂に官兵衛は信長と会談できる事態となります。

 その信長との会談は大成功。
弱小郷士の一家老にしては信長の覚えも良く、信長は播磨方面攻略を任せていた羽柴秀吉に官兵衛を引き合わせ、それ以降、官兵衛は秀吉の相談役として親密な関係を築いていきます。

その後は、主家である小寺家の裏切りにあったり、荒木村重の城に長期に渡り幽閉されたり、幽閉の間に信長に裏切ったと勘違いされ嫡男を殺されそうになったり、その嫡男を竹中半兵衛が救ってくれたり、幽閉から救出された後は裏切った主君の小寺家は没落し、黒田家単独で秀吉に仕えることになったり、毛利家との対決では、先鋒を任された秀吉の軍師として大活躍したり…と波乱万丈の人生を送りながらも、着実に実績を積み、後に九州に根付いて黒田家を繁栄させます。

 物語の概要はこんな感じなのですが、とにかく司馬遼太郎さんの書く黒田官兵衛は面白く、「黒田官兵衛が本当に好きなんだなぁ」と思えることが随所に伺える作品でした。
天の利、地の利、人の利があり、更に本人の強い意志と弛まぬ努力があって初めて、大きなことを成せるのだということを、この小説を通して改めて感じることができました。

大河ドラマなどで黒田官兵衛に興味を持った方は是非、この司馬・黒田官兵衛を読んでみることをお勧めします。

私自身も四巻までで終わってしまうのがなんとも名残惜しい、もっともっと続きを読んでいたい!そう思えるほど、とても面白い作品でしたね、お勧めです。

助産師 寺島法子


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